2008年11月22日

すべてはドーハから始まった

2010年w杯アジア最終予選

カタール 0 - 3 日本


 快心の勝利。

 2008年、最後の試合。最終予選の分水嶺となるドーハでの勝利。
深夜、中継を観ていたファンのみなさんは、一時の安堵感を味わえたのではないでしょうか。

 昨年末、オシム前監督から急遽引き受ける形で監督に就任した岡田監督。
オシム路線の継承からスタートした代表は、バーレーン戦の敗戦を機に独自の歩を進み始めました。

その独自路線、今年最終戦となる重要な試合で一応の形が見えた気がします。
ゲームの印象とともに検証してみます。

まず、玉田・大久保・田中と俊敏性に優れる3人のハードワーク。
序盤、フルパワーで押し込んできたのはカタールでした。
プレッシングも激しく、球際でもファウルも厭わず削りにきていました。
しかし、日本もその打ち合い・奪い合いに立ち向かい持ちこたえます。
前線の3人が負けじと相手DF‐ボランチに咬みついて奪いにかかりました。
カタールの攻撃を受け止め始めると、3人は味方の縦のくさびを引き出す動きと裏へ抜けるフリーラン、
ボールを保持しては、積極的な仕掛けとサイドとの素早いパス交換で突破口を開きます。
まさに、最前線の3人がもっともハードワークしていたように思います。
高い位置で奪い、素早く攻撃に転じる形。

内田のアーリークロスに裏へ抜け出た田中達也が先制ゴール。
これを機にカタールのギアが一段落ちたように感じました。

岡田色の二つ目のポイントが、中盤の構成です。

4-2-3-1の[2]、ボランチといわれるポジションの選手起用ですが、海外組が本格合流して以降、
長谷部を軸に遠藤、中村憲剛といったパサー・タイプを置いています。
この長谷部の起用について言えるのは、ボランチの攻撃力を期待してのものではないかという点です。

彼の持ち味は豊富な運動量と、それ以上に彼自身が持ち上がって攻撃に厚みを加えることができる点だと思います。オシム・ジャパンで起用されていた鈴木啓太がアンカー・タイプだったのに対して、イングランドでいうところのセントラル・ミッドフィールダー(ジェラード...とは言いすぎか...)に近い印象です。
狩るだけでなく、展開し、打開できる能力が求められているように感じます。

サイドに攻撃の起点を置いている現代表ですが、SBの攻撃参加で枚数をかけるサイドに対して、センターラインではFW−2列目に加えてボランチの位置からでもゴール前まで長い距離を走れるタレントが必要なのだと思います。
カタール戦でも、長谷部が2列目より前に食い込む場面が見られました。
後半開始すぐの玉田の2点目も長谷部が中央で絡んでのゴールでした。

次戦のオーストラリアでは、サイドを崩してもゴール前で跳ね返される場面が容易に想像できますが、
ボランチの好守でのハードワークが求められるでしょう。


「新しい井戸を掘る必要はない。」
ジーコ・ジャパンから代表を引き受けたオシム監督が就任時に語っていたように、変化はゆるやかなもの。"流れ"は絶えることなく続いていきます。

人とボールの連動性、アジリティーとハードワーク、多様性(ポリバレント)とインテリジェンス。
これらキーワードは単なる記号ではなく、ベクトルを持った概念です。

オシムという世界の潮流を知る希代の知将が残した要素をひとつひとつチームに浸透させ実践してきた岡田ジャパン。モダン・フットボールを追い求めるだけでなく、自らの特性を少しずつ融合させ始めていると思います。

年明けからアジアカップ予選と重なって最終予選は続きます。
2010年への道が、日本のポスト・モダン・フットボールであるために、戦いは続きます。
posted by ノブセリ at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/110044627
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック